狂人日記

ある男の人生記録です

視点死刑 語りと称した集会と付きまとい

私との仲が悪くなってから彼の行動に変化が訪れた。
多分彼のお気に入りの人物だと思うが仲間を集めて語りと称した集会を開くようになったのである。

私と仲が良かった頃はそんな事一切しなかったのに、仲が険悪になり初めてから突如仲間を集めだした。

学校終わりに公園に集まって開かれる集会で、集会前は主にバスケット等の球技で時間を潰し、終わってからは公園の木で作られたジャングルジムのような上で色々と語るのである。

語りの内容は日常の些細なことから、悩み事、今で言うところの陰謀論系の話、如何にも中2系だが大人の世界は汚い等、さまざまな事をかたった。

何故彼が突如こんなことをやりはじめたのか、私との仲が険悪になってしまったことに一因があると思われるが一種の孤立恐怖があったのではないか。

日本人は一般に孤独よりも孤立を恐れると言われている民族だが彼も私以外に殆ど話し相手がいないというか、クラスメイトとそんなに上手くいっていなかったような感じで、私との仲が険悪になってしまったことによってクラスで孤立することを恐れたのではないか。
一時的な身の隠し場所、次の友人関係を構築するまでの繋ぎ。実際付き合っている仲間たちはそんなに好きで付き合っているような感じでもなかった。

なんというか彼は私も含めて避難しずらい雰囲気がある奴で嫌な事も嫌と言えず断りずらい感じであった。
ある時、彼の誘いでみんなで遊ぶ約束をしていた時に私が時間に遅れて遅刻したことがあった。すると友人の一人が遅刻した私を強く避難することがあった。
これは彼の都合に付き合いたくない不満を私にずらして避難したと思われるが、季節も冬になり、外で遊べなくなると仲間たちも解散、もう集まる事もなくなった。
こういった所から言っても対して結束の強くない集団だったのであろう。結束が強ければ、外で遊べないなら誰かの家に集まって遊べばいいのだから。

語りの話に戻せば、彼は何故突然語りだそうと言い始めたのか。一時的な身の隠し場所以外に、みんなの本音が知りたいこと、そして自分の本音を語る事の出来る友人が欲しかったのではないか。

彼はちょっと可愛そうな子で片親で(私も片親だがそういった互いに似た境遇もあって引かれあった面もあったと思われる)2つ上の兄がいる三人ぐらしであったが、
親が、深夜遅くまで働いておりうちにかえってくれば実質一人ぼっちのようなものであった。兄とはそんなに上手くいってなかったようなので。

従って、私との関係が破綻したことがきっかけで孤立感をふかめたのではないか。家に帰れば一人ぼっちなのが寂しかったのではないか。

彼は私を自分の元に引きとどめて置くために必死であった。私が人間不信に陥り誰とも口を聞けなくなった頃、彼はいつも自分の側にいてくれるのであった。
授業終わりの10分休みの時に普通は、みんなで集まってわいわい、語ったり遊んだりするものだが、私は自分の席を立たずにただ10分休みが終わるのをじっと
まっていた。そんな時彼は私の席にきて話し相手になってくれるのであった。それが毎日続くのである。これは、端から見れば友達を信用出来なくなり人間不信に陥いった人間に優しく装う心やさしき友人の図に見えなくもないが、
じっさいはそうでなく逆でむしろ彼が私を必要としていた。彼は私が彼の元を離れるのを必死に防ごうとしていたのである。
周りの目には異様な光景に映ったのではなかろうか。
いつも一人の私に寄り添うように側にいてくれるのであった。

私は別に一人でも構わなかったし側にいてくれと頼んだ訳でもない。彼の方から一方的に此方に近づいてきたのである。
一種の付きまといだが、そういはえば何かの用事で彼が私の家を尋ねた最に用件もすんで彼を家からかえそうと私が家の扉を絞めようしたら扉を足でガードされたことがあった。
ゾッとしたが、なんだか親に捨てられる事をなんとか防ごうとしているガキにみえなくもないが、兎に角私との関係がおかしくなってから彼の私に対する態度も大分変わって、付きまといや誹謗中傷がはじったのであった。