狂人日記

ある男の人生記録です

視点死刑 自己欺瞞と視点

自分のことを欺き自分に無意識的に嘘をつき、彼に融合し実際に彼がいない場面であっても彼のコピー品としていきる。
これ等の事が可能となるのも彼の視点が常に私の心の中を監視しているからであって、彼の視点が心の中に存在しないのであれば、彼のいない場面において自分を欺く必要はなかった。

私は窒息寸前であった。何をやるんでも、何をするんでもつねに監視の眼があり私の脚を引っ張るのであった。私は監視の眼から逃れることは出来なかった。自分が自分自身から逃れられないのと動揺に、精神に張り付いた監視の視点から逃れることは出来なかった。

まさに、視点死刑である。私の中の精神は瀕死の重体であった。この、瀕死の状態からのがれるために自分を欺くことにした。自己欺瞞である。

『なにが面白いんだ』『全然面白くないわ』『あんなやつら、付き合う勝ちもないわ』『恥ずかしいからやめた方がいいよ』私の中の視点が私を嘲笑うかのように私に対して辛辣な言葉を投げ掛けてくる。

これ等の視点から逃れる為に第一にかれの私に投げ掛けてくる言葉は悪口ではなく、私に向けられたアドバイスと解釈することにした。『彼は俺に悪口を言っているのではない、おれの為を思って正しい道へ進むようアドバイスしてくれてるのだ』と、事実をねじ曲げて解釈した。

第二にフロイトの娘、アンナフロイトが提唱した自我の防衛規制のひとつである攻撃者との同一視をそっくりそのままに再現したのであった。幽霊に怯える子供が幽霊の真似事をするように、つまり彼をコピーすることによって、窒息状態から逃れようとした。

高校時代の自分の惨めさを思い出すと泣けてくるが、彼に対する不満と恐怖を完全に抑圧し周りには明るく振る舞っていたし自分自身それをたのしんでいた。

一方視点は抑圧されておらず、また抑圧されてないから人生を楽しめるという奇妙な精神状態であった。
視点があればこそ楽しめるのである。先に自分を誤魔化してと書いたが自分の中の楽しみは殆ど誤魔化しの楽しみであり心の底から楽しんでいる状態でとはちがった。
これは謂わば親分と子分の関係、常に自分の側にいて自分を監視、試す親分を楽しませるために媚びを売る子分みたいなものであった。

屈辱的であった。悔しかった。彼のことを心の底から叩き殺して殺りたいくらい恨んでいた。憎んでいた。

しかし、その本音は抑圧されて転移として現出するのであった。

レッドホッドチリペッパーズを聴きながら投稿。レッドホッドチリペッパーズが本当に好きか嫌いか今一わからない。どっちかというと好きな音楽のような気がするが・・・・・